頭痛
頭痛の種類は多岐にわたります。その分類方法もいろいろあります。ですが、まず何よりも大切なのは、放っておくと命に関わったり、後遺症を残す結果となる頭痛をきちんと除外することです。これには詳細な問診や種々の検査が必要となりますが、特に
- 5歳以下、50歳以上で頭痛が出現
- 突然の強い頭痛
- 手足の動かしにくさ、しびれがある
- 目が見えにくい
- 喋りにくい
- 意識が悪い
- 発熱を伴う
- 血圧が180を超えている
- がんなどの悪性疾患にかかったことがある
という症状がある場合はできる限り早く救急科もしくは脳神経外科など脳の専門外来受診をおすすめします。
上記の症状を伴わない場合は緊急性の乏しい一次性頭痛の可能性が高いです。
具体的には、
が主だったものです。女性の場合にはさらに月経周期との関連も非常に大切となります。
それぞれ日常生活での対策や治療薬が異なりますので、どのタイプの頭痛なのかしっかり診断をつけることが重要です。ただし、緊張型頭痛+片頭痛というような、複数のタイプを併せ持っている場合も少なくありません。
その場合は両方の治療をすることもあります。
片頭痛に対しては、2018年以降複数の注射薬がアメリカで認可されました。いずれも特効薬と言ってもいいほどの効果が期待できる薬剤です。
日本では遅れること3年、2021年より使用することが可能となっています。もちろん、当院でも使用が可能となっています。
頭痛は一般的な症状です。頭痛を感じたことが無いという人はおそらくいないと思います。さらに、日常的に頭痛に悩まされているという方は日本の場合およそ4人に1人と言われており、もはや国民病とも言えると思います。ですが、その中で我々頭の專門医に受診される方はほんの一握りというのが実臨床での実感としてあります。
「脳神経外科」というなんとなく敷居が高い科の印象を与えてしまっている我々にも問題があるともいます。もっと気軽に受診して頂き、きちんとした診断を受けた上で適切な治療が提供できるよう、当クリニックでは努めて行きたいと思っています。