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けいれん

けいれんとは、体の筋肉が自分の意志とは関係なく一定のリズムで動いてしまうことを言います。脳自体に原因がある場合(脳性)と脳以外に原因がある場合(脳外性)の2種類に分類されます。

脳性

脳出血、脳梗塞、くも膜下出血が急に起こり、それに伴って損傷を受けた脳が異常に電気活動を起こした場合に見られることがあります。

必ず起こるわけではありませんが、特に脳の表面近くで出血が起きるとけいれんを起こす可能性が高くなるので、その場合は予防的にけいれんを抑える薬剤を使用することもあります。脳にまでダメージが加わるほどの強い頭部外傷や脳のできもの(脳腫瘍)などで起こることもあります。

また、このような原因で脳に傷がつくと、その後なにかの際に急にけいれん発作を起こすことがあります。これを症候性てんかんと呼びます。この場合は発作を抑えるため抗てんかん薬を長期間にわたり服用する必要があります。

また、脳の形自体には目立った異常が無いのにけいれんを起こすことがあり、この場合特発性てんかんと呼ばれます。1000人に10人弱の人がこの病気を持っていると言われています。

この場合、遅くとも20台までには発作を起こすことが大半です。

脳外性

脳自体には直接の問題がないのにけいれんを起こしてしまうことがあります。一番有名なのは乳幼児に見られる熱性けいれんです。

他に、血液中の電解質(ナトリウムやカリウムといったミネラルのことです)が大幅に狂ってしまったりアルコールなどの薬物が大量に体に入ってしまったり、何らかの原因で酸素不足に陥りその後酸素不足が解消された際などにけいれんを起こすことがあります。

この場合はけいれんを止める治療に加え、原因に対しても並行して治療していく必要があります。

熱性けいれん

熱性けいれんとは、生後6ヶ月~5歳ごろまでに急な発熱に伴ってけいれんや意識障害を来す病気です。通常38度を超える急な発熱に伴って起こり、体全身が突っ張ったり(強直性けいれん)、手足がピクピクしたり(間代性けいれん)、白目を向いたり、目は見開いているものの焦点があっていなかったり、と症状は様々です。

ですが、通常は5分以内には収まります。けいれんしている際に吐いてしまうと口の中に吐物が溜まり、さらにそれを誤って吸い込んでしまうと窒息のおそれがあります。

ですので、けいれんが起こっている間は頭を横へ向けて窒息しないようにしなければなりません。もしけいれんが5分以上続く場合は単なる熱性けいれん(単純型)では無い可能性もありますので、すぐに医療機関の受診が必要になります。

特に30分以上けいれんが続いた状態をてんかん重積と呼び、緊急で処置をしないと後遺症の可能性が出てきます。
また、それ以外にすぐに医療機関へかかるべき症状として

  • “右の手足”や“左の顔だけ”など、体の一部のみにけいれんが見られる
  • 24時間以内に再びけいれんが起こる

などがあります。
医療機関を受診した場合、発作が続いているようならまずは発作を止める治療を行います。そして、必要に応じて発熱の原因を探していきます。以前は細菌性髄膜炎の否定のため髄液検査が推奨されていた時代もありましたが、今は予防接種が広く普及しているため、全例行われるということは無くなりました。
また、頭部CTやMRIについても、麻痺があったり発作に左右差があったりと、脳の一部分に限局した異常を強く疑わない限りは必要ではありません。

熱性けいれん自体は3.4%-9.3%と報告に幅はあるものの、おおよそ20人に1人ぐらいは経験するありふれた病気です。また、一度熱性けいれんを起こすと15%-30%は再発すると言われています。ですので、仮に発作が起きたとしても基本的にはそれほど心配する必要はありません。ただし、前述のとおり5分以上発作が続いている場合は重積状態に移行する可能性もあり、すぐに医療機関へ受診するようお願いします。

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