メニュー

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症とは

脳が自然と萎縮していくタイプの認知症としては、アルツハイマー型認知症に次いで多いのがこのレビー小体型認知症です。
α-シヌクレインというタンパク質が固まって脳の神経細胞にたまる異常なタンパク質が、発見した病理学者のレビー医師にちなんで"レビー小体"と命名されました。
脳幹などの脳深部にこのレビー小体が出現するとパーキンソン病のような症状が出現します。表面の大脳皮質にまで広く及ぶと認知機能の低下につながります。
アルツハイマー型認知症に比べ男性に多く、他の認知症に比べて進行が早いことが多いです。

レビー小体型認知症の特徴

幻視

レビー小体型認知症の初期段階では、もの忘れよりも幻視が目立ちます。
後頭葉の血流が少なくなることで幻視が引き起こされると考えられています。
虫や蛇が部屋にいる、知らない人がいる、遠くにいるはずの子供が帰ってきたなどの訴えが多いです。

妄想

被害妄想や誤認妄想が出現することがあります。
お金を盗まれた、配偶者に恋人ができた、幻の同居人がいる、などの妄想が多いです。
物盗られ妄想や配偶者の痴情に絡む妄想は警察沙汰になることも少なくありませんので、その場合は毅然と否定する態度を周囲が根気強く取っていく必要があります。
ただし、周囲の人が許容できる範囲内の妄想であれば、あまり頭ごなしに否定せず、ある程度受容することも大切です。

パーキンソン症状

手の震え、動作の遅さ、筋肉のこわばり、バランスの取りにくさ、急に止まれないなどが見られます。

抑うつ症状

初期段階から抑うつ症状が出現することが多く、うつ病と混同されることがあります。

認知機能の変動

日によって、時間帯によって調子が良い時と悪い時の波があります。
急にスイッチが入ったかのようにハッキリとしたり、逆に急にスイッチが切れたかのように見当識障害がでたりします。

自律神経症状

立ちくらみ、めまい、便秘、尿失禁、失神などが起こることがあります。

睡眠障害

眠りの浅い時間帯に大声を出したり暴れたりすることがあります。
レム睡眠行動障害(RBD)と呼ばれています。

薬物過敏

レビー小体型認知症の方は薬に対する感受性が高い方が多いです。
通常量の風邪薬でも強い眠気を生じるなど副作用が出やすい特徴があります。ですので、

レビー小体型認知症への対応

幻視を訴えている場合

幻視が見えている時は、理解と共感を示し、安心させる言葉をかけましょう。

妄想を訴える場合

否定も肯定もせず、本人が話す内容をそのまま繰り返しましょう。

転倒の予防と運動機能の向上

抗パーキンソン病薬の服用を確実に行い、リハビリを取り入れましょう。
レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症と並んで多い認知症の一つです。
早期発見と適切な対応が大切です。

レビー小体型認知症の治療

現在のところ、アルツハイマー型認知症と同様、レビー小体型認知症を完全に治療する方法はありません。
ドネペジルというアルツハイマー型認知症に対する治療薬が唯一レビー小体型認知症にも効果があるということで保険適応があります。
幻覚などの精神症状に対しては抗精神薬の投与を、体の動きにくさなどに対しては抗パーキンソン病薬にて運動機能の改善を図ります。
ただし、抗精神病薬にはパーキンソン症状という副作用が、抗パーキンソン病薬には精神症状の副作用があり、薬物調整が難しい場合もあります。
またそもそもレビー小体型認知症には薬の効き目が出やすく、副作用の発生率も高い傾向にあります。
そのため、新しい薬を始めたり増量したりする場合は、極力少量から、様子を見ながら慎重に投与する必要があります。
普通では問題とならない程度の風邪薬でも、ふらついたり意識が低下したりといった副作用を生じやすいのもこの病気の特徴の一つです。

レビー小体型認知症の問題点

アルツハイマー型認知症と比べ、転倒などのリスクが高いというのがこの疾患の一番の問題点です。
体の動かしにくさに加え、急に意識を失うなどの自律神経の症状が出やすいことも関係しています。
そのため、しっかりと管理されたうえで日々のリハビリテーションを行うことがとても重要となります。
運動をすることで骨粗鬆症の予防にも繋がります。また、運動によって自律神経を賦活させることも可能となります。
そもそも運動自体が認知機能の改善効果にも繋がりますので、この疾患の診断を受けた方は、可能な限り管理された運動リハビリテーションをお勧めします。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME